はじめに。
本記事は年越し北海道ツーリングを勧めるものではありません。冬の北海道を走るということには大きな危険が伴い、事故や遭難といったリスクがあります。念入りに準備をしたうえで、天気や路面を考慮しながら走っておりますことをご承知ください。
「こんなにあったかいウェア、他にある!?」
2022年12月。息も凍りそうな冷たい風の中、真っ白な雪道を愛車とともに走りながら思わず笑ってしまった。
常識的に考えるとバイクなんて絶対乗れない寒さなのに、体感ではまるで秋の初旬のような暖かさだったのです。
──何の話かっていうと、年越し北海道ツーリングでの装備のこと。
ラフアンドロードさんのウィンタージャケット&パンツを着て走ったところ、防寒性能が高すぎてビックリ仰天を通り越し、なんだか面白くなってしまったのでした。
究極の防寒ライディングウェアに出会いました
雪と氷に囲まれた北の大地をバイクで走り抜ける、年越し北海道ツーリング。非常にエクストリームなチャレンジ故に、大掛かりな準備が必要とされています。
中でも特に気になる人が多いのが、「ライディングウェアは何を着たらいいの?」ということではないでしょうか。
2022-2023年にかけて4年ぶり2度目の挑戦をした筆者が選んだのは、『RR7693 WSプリマロフト ポーラージャケットFP』と『RR7719LF WSプリマロフト ポーラーカーゴパンツLF』でした。
今回走ったのは、気温-16~2度の中を2週間ほど。
結果からお伝えすると、すべてのシーンにおいて寒さを感じることなく走り切ることができました。しかもジャケットの下は、メリノウール製のインナーとアクリル製の薄手セーターだけの状態です。
もしかしたら、究極の防寒ライディングウェアに出会ってしまったのかもしれません…!
プリマロフトを使用した最強防寒ウェア
冬のライディングウェアにおいて重要なポイントは、冷たい空気をシャットアウトする防風性能と、身体を冷やさない保温性能。
プリマロフトポーラージャケットとプリマロフトポーラーカーゴパンツの場合、どちらも業界最強といえるほどの性能を持っています。
・風を入れない
→防風・防水透湿性能の高いウォーターシールドシステム
・冷たさを伝えない
→断熱性能の高いチタンをスパッタリング加工(イオン化した金属原子を霧吹きのように付着させる加工)
・保温する
→米軍のために開発された高機能撥水中綿『プリマロフト』を使用
・熱を逃がさない
→各所のアジャスター&ファスナーで体にフィットさせてデッドエア(動かない空気)を作る
あまりにも豪華な装備に、筆者の頭の中ではこんな疑問が浮かびました。
「最強すぎて、年越し北海道ツーリングをしない人にとってはオーバースペックなのでは!?」
…でも、そんないち消費者としての疑問は不要でした。
暑すぎるときは標準装備のプリマロフト®インナージャケットやボア付きのネックウォーマー、暖かいファー付きフードを取り外したり、背中のベンチレーションで換気をしたりと、温度調節機能も満載なんです。
「超絶にニッチな需要だけど、ここまで作り込んでラフアンドロードさん、利益出てますか…?」
それはさておき、最強防寒装備のおかげで朝から晩まで超・超・超余裕!走行中はもちろん、吹雪の中でもへっちゃらでした。
今後年越し北海道ツーリングを検討している方には、絶大な安心と信頼をもっておすすめしたいアイテムです。
ちなみにジャケットとパンツ、どちらにも「宗谷」のロゴマークが縫い付けてあります。ラフアンドロードさんが自信を持って世に送りだしていることを感じますね。
通常の冬ツーリングでは、プリマロフトウォームパーカーやプリマロフトウインターパンツLFもおすすめですよ。
多機能なポケットが便利すぎる
ラフアンドロードさんのライディングウェアの多くに共通する特徴として、痒い所に手が届く多様な収納が挙げられます。
プリマロフトポーラージャケットとプリマロフトポーラーカーゴパンツも例外ではなく、たくさん付いているポケットがとても便利なのです。
中でも筆者が助けられたのが、インナージャケットの内側にあるスマホサイズのポケットです。
気温が常に0度を下回る年越し北海道ツーリングにおいては、電子機器の電池の持ちが非常に悪くなります。
スマホをインナージャケットのポケットにしまっておくことで、外気に触れさせず、普段通りの電池持ちを維持することができました。
ほかにも外付けポケットの裏にあるハンドウォーマーで手を温めたり、右胸のマチ付きのポケットに日焼け止めを入れたりと、ポケットたちは大活躍。
全部を数えると、ジャケット本体に10個のポケットと2個のハンドウォーマー、インナージャケットに4個のポケット、パンツに9個のポケットが付いているのだから驚きです!
少し話がそれてしまうのですが、昨年レンタルバイクを利用した際、車両にパニアが付いていないことを忘れて、しかもリュックサックも忘れたことがありました。
万事休す!と焦ったのですが、この時に筆者を助けてくれたのが、ジャケット背面についている大型ポケットです。
自他ともに認める大きくてぶ厚い長財布がまるっと収まってくれたのは、ビックリと同時に「ラフロのジャケットでよかった!」と感謝した思い出です。
(財布がぶ厚いのは、お札ではなくポイントカードとレシートのせいです…。涙)
安全性は最優先事項!
年越し北海道ツーリングの話題となると、どうしても防寒の話が中心になりがちです。
しかしバイクで走る以上、通常のツーリングと同様に安全装備も重要なポイントではないでしょうか。
その点も、ライディングウェアを作り続けてきたラフアンドロードさんの製品は安心です。
肘や膝などの各関節はもちろん、胸部や脊椎のプロテクターまで完全装備。表地は簡単には破れない丈夫な素材が使用されているのです。
(WSプリマロフト ポーラーカーゴパンツLFは腰パッドの付属なし。別売りのパッドを装着可能)
安全性に関しては、身をもって実感したエピソードがあります。
それは大晦日のお昼過ぎ、名寄から網走へと向けて道道101号線を走っていた時のことでした。
途中までは順調に走っていたのですが、国道に比べて除雪が少ないのが道道。アイスバーンの上に積もった新雪で滑り、ガッツリと転倒してしまったのです。
さすがに起き上がった直後は「イタタタタ…」と呻くばかり。
すぐには走り出すことができませんでした。…が、落ち着いてみると骨折や擦り傷などの大きな外傷はなく、できたのはちょっとしたアザのみでした。
やはりプロテクターは大切。もしもなかったらどうなっていたんだろうと、少しゾッとしてしまいました。
その日は大事をとってツーリングを取りやめたのですが、怪我がなかったおかげで翌日(元旦)には無事に復活できました。
全身の筋肉痛に悩まされながらも能取岬から初日の出を拝むことができ、ライダー冥利に尽きる思いでした。
最も優れた防寒ライディングウェアのひとつです!
ここまで読んだ読者の中には「そこまで防寒しなくても、電熱ジャケットを着ればいいのに」と思われた方もいるかもしれません。
…その答えとしては「一理あるけど、使えなくなった時のリスクは無視できない」です。
冒頭でもお伝えしている通り、年越し北海道ツーリングには大きな危険がともない、事故や遭難の可能性があります。バッテリー式であればバッテリー切れ、バイクからの給電であればガス欠をしてしまい、電熱ジャケットが使えなくなるリスクは十分にあるのです。
どんな状況においてもライダーの命を守るためには、電源が不要な耐極寒仕様のジャケットを選ぶべし!…と、私は考えております。
今回のツーリングで使用したプリマロフトポーラージャケットとプリマロフト ポーラーカーゴパンツ。
優れた防風・保温性能により、年越し北海道ツーリングを完走する上で一番正解に近いウェアのひとつ、と言えるはずです。
ライディングウェアは、ライダーの命を守る最後の砦。
数ある選択肢の中からベストなアイテムを選ぶため、そして最後まで怪我無く無事に走り切るために、この記事の内容が参考になれば幸いです。
次回は冬の北海道でバイクに装備すべきマストアイテム「ハンドルカバー」のお話です。
それではまた、高木はるかでした!