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日本一の林道『剣山スーパー林道』をクロスカブで走ってみた!【後編】

87.7kmという、日本一の距離を誇る剣山スーパー林道への挑戦レポート。
前回の記事では悪戦苦闘しながらもマイペースにツーリングを楽しみ、ログハウス風の休憩施設『山の家 奥槍戸』までやって来ました。

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剣山スーパー林道とは、日本一の距離を誇る全長87.7kmの林道。徳島県上勝町~那賀町にかけて剣山国定公園の中を走り抜ける、自然と冒険感たっぷりの秘境スポットです。 今回は西から東へ向かうルートの走破を目指し、愛車クロスカブとともにやって来[…]

ところがそこで出会った男性から「この先は通行止め」と聞き、状況を詳しく教えてもらうことにしました。果たして走破はできるのでしょうか!?

 

走破は至難の業!?

男性は70歳ぐらいで、登山のような恰好。剣山スーパー林道には車で、付近の林道や脇道も含めて走破するためにやってきたのだそう。旅は3日目で通行止めの箇所も把握していたため、私たちを心配して声をかけてくれたのでした。

男性が取り出した地図には手書きのメモがたくさん。それを新しい地図に書き写しながら、私たちにルートを教えてくれました。

彼曰く、「ファガスの森より先は全面通行止めでダメだったわ。東コースも向かってみたけど路面崩壊で通れんみたい」

ファガスの森とは、ここから40km先(西コースの残り6km地点)にあるスポット。東コース(約25km)の路面崩落と合わせて考えると、なかなか長い区間が厳しい状況です。

後日調べたところによると、剣山スーパー林道は崩落で通行止めになることが多く、全道を問題なく走行できることは稀な模様。一気に走破するのはあまり現実的ではなく、多くの人は時期をわけて分割走破しているようです。

走破が叶わないことは確定しましたが、落ち込んでいる暇はありません。
なんていったって、この時の私たちがいるのは西コースの17km地点。既に時刻は13時を過ぎているのですから!

 

過酷な林道にバスがいた!?

男性にお礼と別れを告げ、先へと急ぎました。

走りながら改めて周辺を観察してみると、通行止めが多いのも納得の環境です。
過去に崩落が起きたのでしょう、林道では数少ないガードレールが崖下へ落ちてしまっている箇所もあれば、巨大な岩が道の端に落ちている箇所もあります。

前回の記事に引き続き、洗い越しももう1か所発見しました。

ただ1本の道を走っているだけなのに、気分は大冒険!はじめの頃に感じていた不安はすっかりなくなり、そこそこのスピードで走りを楽しめるようになっていました。
あぁ、これで走破もできれば最高だったのになぁ…!

さて、山の家 奥槍戸から20kmほど走った頃でしょうか。道の脇にある林の中に、何やら大きな箱型のものが見えました。

「アレってもしかして…」

いったんバイクを降りて近づいてみると、予想通り。廃バスでした。
ずいぶん古いもののようで、ボディはすっかり錆びています。しかし、近づいて見ても大きな割れや変形はなく、ただ駐車されたまま朽ちているような状態。

バスのボディには、2005年に那賀町に合併されてなくなった「木沢村」の文字が書かれています。今で言う村のコミュニティバスのような存在で、この場所は駐車場として使われていたのかもしれません。

クロスカブですら苦戦するようなこの林道を、バスが走っていた時代があるなんて…!顔も名前も知らない過去のドライバーのテクニックに、数十年の時を経てビックリさせられたのでした。

 

全道走破はならず!次回に期待です!!

午後3時半。今回のゴールであり、通行止めのう回路でもある『林道川成峠』との合流地点に無事到着しました。

「行けるところまで行ったぞ!」という達成感と「次は続きを走るぞ!」というリベンジ欲、両方を感じるゴールでした。

総評すると、剣山スーパー林道は「まったくの素人にはオススメできないけど、初心者であっても走破は可能。ただし根性は必要です!」といった風に感じました。

今回は西側の道の方が比較的荒れていたため、西→東のルートで臨んだ結果、運転に慣れるまでに苦戦をしてしまいました。東コースが約25kmと短い上に舗装区間もあることを加味すると、初めて剣山スーパー林道を訪れる方は、東→西のルートで走った方が負担が少ないかもしれません。

──さて、林道川成峠を下ってふもとで休憩をしていると、剣山で飲んでいたペットボトルがベッコリとへこんでいるのを発見しました。

まったく自覚はなかったけれど、ずいぶん標高が高い場所にいたんですね!

林道内はスマホの電波は圏外です。この記事を読んで剣山スーパー林道にチャレンジする方は、なるべく複数人で、安全運転で楽しんでくださいね。

以上、高木はるかがお伝えしました。